肺癌
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Hepatoid Adenocarcinomaと診断されたAFP産生肺癌の1切除例
飯野 賢治太田 安彦田村 昌也佐藤 日出夫片柳 和義車谷 宏
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キーワード: AFP, 肺癌, 予後, 免疫組織化学
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2003 年 43 巻 1 号 p. 29-34

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抄録

背景. AFP産生肺癌は今日までに59例の本邦報告がみられるに過ぎず, 予後を含めてその臨床像は不明確である. hepatoid adenocarcinomaと診断された稀なAFP産生肺癌を経験した. 症例. 症例は63歳男性. 右肺上葉S2に原発した肺癌 (c TINOMO, 臨床病期IA) に対して, 胸腔鏡補助下に上葉切除術を施行した. 組織学的には敷石状, 索状に分化した腫瘍細胞と管状, 乳頭状腺癌が混在したhepatoid adenocarcinomaと診断され, 免疫染色にてAFPの局在が証明された. リンパ節転移, 脈管侵襲は認めなかった. 結論. 術後の補助療法は行わずに経過を見守っている. 術後5ヶ月経た現在, 再発なく生存中である. 自験例を含むAFP産生肺癌の本邦報告59例につきその臨床像を文献的に検討した.

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